漆作家 瀬尾誠

瀬尾誠漆器作品

瀬尾誠漆器作品2

進化を続ける漆の作品

オーストリアの芸術家・クリムトの作品とも、フンデルトヴァッサーの建築がモデルとも形容したくなる作品。どこか日本から遠い場所にあったかもしれないし、日本に古くからあったのかもしれないと思わせる独特の雰囲気を醸す。
これらはすべて漆の作品。陶器や木片に漆の色彩で描きだす瀬尾さんの作品は、木曽平沢を中心に400年の歴史を持つ木曽漆器の漆とはまた異なる新しい世界を教えてくれる。歴史ある漆の里に腰を据え、毎日創作を続けながらも「伝統技法に忠実ではないから、職人の方たちには怒られそうやな。もっと勉強せなあかん」と瀬尾さん。

金沢で見つけた漆の可能性

滋賀県近江八幡の生まれ。子どもの頃から美術を目指していたわけではなかったというが、大学浪人中はデザイン科を目指したが、自らの手で最初から最後まで作ることの面白さに気付き、工芸の世界を目指すようになる。
大学は金沢美術工芸大学工芸科漆木工専攻。京都や江戸から伝わる緻密な漆が息づく金沢の地が、漆の技を磨く機会となった。鞘塗り(刀剣の鞘に色漆を塗る技法)に挑み、発色や質感などを試しながらテクスチャーの研究に時間を費やした。

木曽との縁で漆芸も開花

卒業後は、木工の基礎を学ぶために、県上松技術専門校の木工科に入校。ここで、新しい出会いがあった。講師でもある上松町の竹工芸家・飯島正章さん。
金沢での学生時代から印象に残っていた作家のひとりだったという。これが縁となって、今年は地元のギャラリー「蝸牛(かぎゅう)」でのコラボレーション展を開催。飯島さんの竹のクラッチバッグの金具に漆を施すという斬新なもので、繊細な竹細工に、緻密な瀬尾さんの漆の模様が冴えて、さりげない華やぎを放つ作品となった。
木曽でのもうひとつの縁は、妻で布作家の望さん。現在は望さんの母の実家だった家を使いやすいように手を入れ、工房を兼ねた住まいで、1歳の長女・晴(はる)ちゃんと3人で暮らしている。

飯島正章さんのご紹介はこちら
ギャラリー「蝸牛(かぎゅう)」のご紹介はこちら

上松町のギャラリー・蝸牛の作品展

飯島正章さんとのコラボ作品のクラッチバック

小さくて存在感のある瀬尾ワールド

作品の多くは両手で包み込めるほどの大きさ。工房の庭にある2つの七輪を使って焼く陶器や、ぐい飲みくらいの木の器に漆を施したものである。「得意なものは手の中に収まる細かい物」と瀬尾さん。
山に囲まれた工房で、四季移り変わる自然からヒントを得ることも多く、土器のような力強く深い心躍るものづくりを目指す。赤と緑、細密な線を描いて沈金の技法で施す真鍮の色など、小さな器のキャンバスには、地味なのに華やぎがある独特の瀬尾ワールドが広がる。
目指しているのは「土くさいモノづくり」。2年ぶりに秋に開催した東京での個展で「色彩に渋さが加わった」との言葉を受け自分でも気付かない変化を感じたという。長い漆の歴史がある地で、自分自身の変化と進化を楽しみながら創作を続けている作家である。

<瀬尾誠 プロフィール>
1983 滋賀県近江八幡市生まれ。
2006 石川現代工芸展入選。
2007 金沢美術工芸大学工芸科漆木工専攻卒業。
2008 京展入選、KFSイラストコンペティション優秀賞。
2009 長野県上松技術専門校木工科修了、木曽郡大桑村で制作。
2010 大阪国際アートトリエンナーレ2010入選、ほぼ日刊イトイ新聞作品大賞入選。
2010、2012伊丹国際クラフト展入選

瀬尾さんの最新情報はこちらでご確認ください
瀬尾誠ブログ



陶素地の凹凸感と漆が独特のマチエールを生みだしている


ペンダントなど小さな作品にも瀬尾ワールドが広がる

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