三窯 阿部春弥

阿部春弥

「自分でやらなきゃ身につかない」
生まれ育った真田の里で築窯

真田氏発祥の地・上田市真田町。真田十勇士・猿飛佐助の伝説が残るという角間温泉に通じる静かな地区に、阿部春弥さんの工房はあります。つくり手の道を選ぶきっかけは、陶芸家の父が色絵や染付磁器を制作していたことでした。
陶器は窯で焚き上げたときの自然の変化が醍醐味のひとつであるのに対し、「磁器はフォルムを大切にし、完成したイメージを構築していくおもしろさがあり、丈夫さも魅力です。僕は暮らしの中で使える器を作りたいと思って活動しているので、繊細に薄く作れる磁器といえども、不安じゃない軽さが必要なのかなと思っています」と阿部さんが言うとおり、その器は、端正なフォルムと安定感のある使い心地が絶妙なバランスを保っています。

工房は、森林浴の森日本100選に選定された角間渓谷にひっそりとある

でしゃばらないのがちょうどいい
クラシカルな陽刻の器

石膏を削って文様をつける陽刻の型。牡丹や唐草などさまざまな模様に挑戦している

阿部さんの器は白磁、ルリ、黄磁の三色。そこに、陽刻によるさまざまな文様が花を添えます。
陽刻とは、石膏で手彫りして作ったオリジナルの型を使って、模様が浮き出るように彫刻すること。つるんとした皿から型をはずした瞬間、草花や矢羽根といった立体の意匠が表れ、ハッとさせられます。
「面白い作業なんですよ。型ひとつを作るのにも時間はかかるんですが、これからもいろいろな模様ができたらいいなと思っています」と阿部さん。楽しそうに作業する様子が印象的でした。

工房にこもる時期もあれば
地元の人と汗を流す日もあり

阿部さんのブログには、愛妻・美香さんの料理を盛り付けた器の写真がしばしば登場します。聞くと、ご近所さんから自家栽培野菜のおすそ分けをたくさんいただくそう。そんな贅沢も信州ならではのものだと、一度県外で暮らしたときに初めて気づいたと言います。1週間工房にこもりきりでも平気だという阿部さんですが、地区内の清掃活動や消防団などにも参加。地区で貴重な若い衆としての活躍が、作陶暮らしにもいい塩梅に馴染んでいるようです。

箸置きは技術学校時代に出会った奥様の美香さんが担当。カバやハリネズミ、干支のシリーズなどがある

「蓼科クラフトヴィレッジ 陶仙房」で戸津圭一郎さんと毎年夏に行っている、陶器と磁器の二人展。さまざまな白い器が並んだ

おもてなしが楽しくなる白磁面取カップ&ソーサー。持ちやすい取っ手に愛着がわく

<阿部春弥さん プロフィール>
1982年 上田市真田町生まれ。
愛知県立窯業高等技術学校を終了後、備前焼の陶芸家山本出氏に師事。
2004年 長野県上田市で築窯、独立。
長野・東京・大阪などのショップに常設。各地のクラフトフェアなどに参加

三窯 阿部春弥さんの最新情報はこちら

三窯
長野県上田市真田町長2987-1
※ギャラリー見学を希望される際は事前にメール(hkmwb771@ybb.ne.jp)にてご連絡ください

器の完成形はあくまで料理を盛り付けたときにあると考え、「でしゃばり過ぎず、なるべく自分の個性を出さないように心がけて作っています。陽刻を始めたのは、盛ったときに邪魔にならず料理と喧嘩しないから。器の景色も出てくるし、模様が佇んでいるのはいいなと思ったんです」

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